段付きピンとは?製品事例までご紹介!
小さな部品ながら、製品の安全性や耐久性を左右する「段付きピン」について、本コラムでは、固定方法、製造方法、さらに特殊ネジカスタム部品製造.comが対応しているサービスまでご紹介いたします。
段付きピンとは?
段付きピンとは、軸の途中に段差があるのが特徴的な製品のことです。この段差があることで、部品の接合や負荷の分散ができ、様々な用途に利用できる汎用性の高い部品となります。
主な用途としては、まず部品同士の接合が挙げられます。段差部分で相手材を挟み込み、軸部をカシメることで、相手材が抜け落ちるのを防ぎ、しっかりと固定することができます。
また、段差によって接触面積が増えるため、負荷を分散させる効果もあります。これにより、一点に負荷が集中することを防ぎ、耐久性を向上させることができます。さらに、軸部に高さを持たせることで、部品間の距離を調整するスペーサーとしても機能します。その他にも、軸が長い場合は、段差部分にゴムなどの弾性体を入れることで、振動を吸収する役割を果たすこともあります。
段付きピンの圧入・カシメ方法
段付きピンを固定する方法は、「圧入」と「カシメ」の2種類があります。
圧入は、ピンを穴に押し込む方法です。部品にピンよりわずかに小さい穴を開け、そこにピンを圧入機で押し込みます。
圧入加工のメリットとしては、仕上がりの精度が挙げられます。溶接やネジ・ボルト固定、リベットを使用するカシメ等と違い、凹凸のない仕上がりを実現できます。さらに、部品を一時的に変形させて押し込む加工方法のことから、解体がしやすいというメリットもあります。また、熱を使用しないため板金が歪みにくく、反発し合う圧力のみで固定しているため取り外しも可能です。
一方、カシメ加工とは、機械的接合方法のことで、溶接や接着剤・ネジ締めなどの方法を使用しません。金属に一定以上の力を加えると、力を取り除いた後も元に戻らなくなる塑性と呼ばれる性質を利用し、接合したい箇所に圧力を加えて複数部品をカシメます。
カシメ加工のメリットとしては。部材そのものを変形させられることが挙げられます。加圧した部材が元の形に戻ることはないため、接合が外れることがありません。また、圧入加工と比較すると、熱膨張による金属材への影響が少ないため、母材が割れたり歪んだりしにくいといえます。
このように、圧入とカシメはそれぞれにメリットとデメリットがあります。用途や状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。
段付きピンの製造方法
段付きピンの製造方法には、主に切削加工、冷間圧造、研磨加工などがあります。それぞれの方法に特徴があるため、用途や求められる精度、コストなどを考慮して最適な方法を選択することが重要となります。
切削加工
こちらは、旋盤やフライス盤などの工作機械を用いて、素材を削り出す方法です。寸法精度が高く、複雑な形状の段付きピンを製作できます。また、少量生産に向いています。
冷間圧造
こちらは、塑性加工方法の1つで、コイル状の素材を必要な長さに切断したあと、熱を加えることなく「ヘッダー・ホーマー」と呼ばれる冷間圧造機で成形する加工方法です。強度が高い段付きピンを製作できます。
切削をしていないため、材料のファイバーフローが残り、製品に強度があります。さらに、加工速度が速いので、生産性が良く、大量生産が可能です。金型によって形状を成形するため、加工精度が高く、均一で安定した製品を大量に製造できます。
研磨加工
こちらは、切削加工や冷間圧造で製作した段付きピンの表面を、研磨材を用いて研磨する方法です。表面粗さを向上させ、滑らかな表面に仕上げることができると同時に、寸法精度を向上させることができます。
規格外段付きピンを製作依頼する際のポイント
規格外の段付きピンとは、製品の形状、寸法、材質、加工などの点において、規格に定められていないものを指します。また、規格品よりも安価に製作できる場合や、規格品よりも強度や耐久性に優れた製品に関しても規格外として取り扱われます。
このような規格外製品を求める際に重要となってくるのが、、、
①数量に合った加工方法
②最適なサプライヤー選定
となります。
特殊ネジカスタム部品製造.comを運営する太陽精工株式会社では、電蝕・耐食等を考慮して、各種表面処理に柔軟に対応しており、多彩な協力工場ネットワークによりお客様の求めるニーズに合わせた最適な処理方法を提案することが可能です。また外観性の観点から光沢性のあるメッキや頭部塗装にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
当社の段付きピンをご紹介!
①中ツバ段付きピン
こちらは墜落防止機器向けのバックルに使用されております中ツバ段付きピンです。
お客様では以前、棒材から全切削で量産されていた製品とのことでしたが、コストダウンをご希望されて、当社までご相談いただきました。
材質はSUSXM-7系のため、細軸を絞り可能な部分まで金型で成形し、二次加工切削で仕上げております。切削図面からの形状、公差もほぼ変更せずにニアネットシェイプが出来た製品です。結果として全切削からの工法転換でコストダウンを実現することができました。全切削品のコストダウンでお困りの方は、まずは当社までご相談ください。
②平頭段付きピン
こちらの製品は、平頭段付きピンです。加工ポイントとして、軸部切削の際に、Rを除去しています。またこちらのピンはステンレス製のピンのため、パシベート加工にて耐食性を向上させています。
ステンレス製の段付き特殊ピンについては、当社では試作開発段階から量産生産まで、一貫してサポートしております。特殊ピンのことでお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
「段付きピン」の製造は特殊ネジカスタム部品製造.comにお任せください!
当社では試作開発段階から量産生産まで、一貫してサポートしております。特殊ピンのことでお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
◆特殊ネジ カスタム部品製造.comは、冷間圧造技術のノウハウと、オリジナリティ溢れる金型設計力、幅広い調達ネットワーク、そして積極的なVA/VEによる技術提案を行い、多種多様な特殊締結部品の製造を、試作開発から量産までトータルサポートさせていただきます!
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