ステンレス製のネジ・ボルトにおける材質選定・工法選定のポイント
ステンレス製ネジ・ボルトの製造では、材料特性と加工方法の選択が製品性能やコストに大きく影響します。ステンレス材は耐食性や強度に優れ、多くの分野で使用されていますが、材質ごとの特性を理解し、適切な加工技術を選ぶことが重要です。
ネジ・ボルトに使用されるステンレス鋼材の種類と特性
ネジやボルトの製造において、材料特性と加工方法の選択は、製品の性能やコストに直結します。特にステンレス材は、耐食性や強度、加工性に優れており、締結部品にも広く採用されている材料です。一方で、ステンレスには様々な種類があるため、材質ごとの特性を十分に理解し、適切な加工技術を選定することが求められます。ここでは、ネジ・ボルト加工におけるステンレス材の種類と特性について解説します。
「圧造」で加工されるステンレス材種
まずは圧造加工によって主に加工されるステンレス材種についてです。圧造によって主に加工されるステンレス材種は、XM7、SUS430、SUS410の3種類です。
- XM7(オーステナイト系)
- 特徴:耐食性が極めて高く、海洋環境や化学プラントなど、腐食リスクが高い用途に最適。非磁性で、見た目の美しさも特徴です。
- 課題:ただしXM7は加工性が悪く、金型に負担がかかるため、コストが上がりやすい材質です。
- SUS430(フェライト系)
- 特徴:加工性が良好で、コストパフォーマンスに優れた、磁性を持つステンレス材です。
- 課題:ただし耐食性が劣るため、屋内等の環境での使用に適します。
- SUS410(マルテンサイト系)
- 特徴:熱処理により高強度を実現できる磁性ステンレス材です。機械部品や工具向けの高強度ボルト等、耐摩耗性が求められる用途で活躍します。
- 課題:ただし耐食性がオーステナイト系より劣るため、適切な表面処理が必要です。
「切削」で加工されるステンレス材種
続いて切削加工によって主に加工されるステンレス材種についてです。切削加工は小ロットかつ特殊な形状の高精度なネジの製造において採用されますが、切削によって主に加工されるステンレス材種は、SUS303、SUS304、SUS310、SUS316Lの4種類です。
- SUS303(オーステナイト系)
- 特徴:快削性に優れ、切削加工がしやすいステンレス材です。大量生産における加工効率が高く、多く採用されています。
- 課題:ただし耐食性が他のオーステナイト系より低く、パシベート処理ができない点が制約になります。
- SUS304(オーステナイト系)
- 特徴:ステンレス材としての標準的な材種となります。耐食性と強度のバランスが良いのが特徴です。
- 課題:ただし加工性がやや悪く、特に複雑な形状の切削には難易度が伴います。
- SUS316L(オーステナイト系)
- 特徴:ニッケル含有量が多く、耐食性が非常に高いステンレス材です。医療や化学産業向けのネジ・ボルトに最適です。
- 課題:ただしニッケルが多い分だけ加工性が悪く、切削には高い技術が求められます。
このように、ネジやボルトに採用されるステンレス材は多岐にわたります。しかし求められる特性は、使用環境や用途によって異なります。
- 耐食性が重要な場合:XM7や316Lが最適
- コストを抑えつつ加工性を重視する場合:SUS430やSUS303が最適
- 強度と耐摩耗性を求める場合:SUS410が最適
当社では、ステンレス材の材種選定から加工方法の提案まで一貫して対応し、お客様の要求に最適なステンレス製のネジ・ボルトを提供してします。
加工方法別のステンレス製ネジ・ボルトの加工におけるポイント
ステンレス製のネジ・ボルトは、その高い耐食性や強度からさまざまな分野で活用されています。しかし、加工時には材質特有の課題があり、圧造加工と切削加工ではそれぞれ異なるポイントが存在します。
「圧造加工」におけるステンレス製ネジ・ボルトの加工におけるポイント
圧造加工は、金型で素材を塑性変形させて成形する手法で、大量生産に適しています。しかし、ステンレス材の特性から加工性の難しさが課題となります。
- オーステナイト系材質の難しさ・コスト
オーステナイト系のステンレス材は材料が硬く、加工中に金型が焼き付きを起こしやすい特性があります。これにより金型の寿命が短くなり、加工コストが上昇してしまいます。そのため、金型に特殊なコーティングを施す等の工夫をすることで、金型寿命を向上させる必要があります。 - 適材適所の材質選定
圧造加工に適したステンレス材の使用を提案することで、コストパフォーマンスの良い製品を製造することができます。耐食性がそれほど求められない場合には、コストパフォーマンスが良い材質を選定する必要もあります。
「切削加工」におけるステンレス製ネジ・ボルトの加工におけるポイント
切削加工は、工具で材料を削り出し、精密な形状を作り出す方法です。特に小ロットや複雑な形状に向いていますが、ステンレス材特有の課題がいくつかあります。
- 工具寿命の課題
ステンレス材は加工硬化しやすく、切削時に工具・バイトが摩耗しやすい特性があります。たとえば、一般的に使用されるSUS304でも、工具寿命が短く、加工効率が低下する場合があります。一部のネジメーカーでは、SUS304の加工の難しさから受注を断るケースも見られます。そのため、バイトの耐久性向上や加工条件の最適化が重要です。 - 材質ごとの適性
切削加工では、SUS303など加工性に優れた材質を使用することで、工具寿命を延ばしながら安定した品質を維持することができます。一方で耐食性が特に求められる場合には、304や316Lなどのオーステナイト系材質にも対応可能です。もしくは、用途に応じてSUS304 ⇒ SUS303への材質変換も視野に入れる必要があります。
太陽精工だからこそ可能な、カタログにはない規格外の特注ステンレス製ネジ・ボルト
当サイトを運営する太陽精工株式会社では、EC・通販サイトでは販売されていない、規格から外れた特注ステンレス製ネジ・ボルトをはじめとした特殊締結部品の製作を行っております。当社ならではの特注ステンレス製ネジ・ボルトの特徴は下記の通りです。
- 高難度への対応力:独自ノウハウによる特殊加工
- 高精度と高品質の追求
- 圧造と切削の組み合わせ:コスト効率と設計自由度の実現
- 金型に特殊なコーティングで寿命向上
- 材質提案によるコストダウンと機能性向上
- 多種多様な製品ラインナップ
- 顧客の期待を超える提案力
それぞれの特徴について、詳しく説明いたします。
高難度への対応力・独自ノウハウによる特殊加工
当社は、他社が敬遠しがちなステンレス製ネジ・ボルトの深い六角穴や異形頭部形状などの高難度加工において、独自の圧造技術とノウハウで課題を解決しております。既存のお客様によって磨かれた技術をもとに、コスト効率を保ちながら高品質なステンレス製ネジ・ボルトを提供しております。
またSUSXM7は、耐食性に優れた一方で加工性が悪い材料のため、他社が嫌がるステンレス材種です。しかし当社では、独自の圧造ノウハウにより、高品質なSUSXM7製のネジ・ボルトの製造を実現しています。
高精度と高品質の追求
当サイトを運営する太陽精工では、ステンレス製ネジ・ボルトについて、厳しい寸法公差や品質要求をいただくことも多々ございます。このような高精度・高品質なステンレス製ネジ・ボルトを加工するために、転造技術によるねじの精度を確保や、特殊なリーマ加工による軸の安定性を確保ように、圧造・転造技術に日々磨きをかけております。
圧造と切削の組み合わせによる、コスト効率と設計自由度の両立
当社では、圧造と切削加工を効果的に組み合わせることで、設計者の要望を実現しております。特に、全切削加工から圧造への転換によるコスト削減や、細部の加工における顧客要望に忠実に応える点は、他社との差別化されたポイントと考えております。これにより、高性能と低コストを両立したステンレス製ネジ・ボルトの量産を追求しています。
金型に特殊なコーティングで寿命向上
また、圧造・転造では必要不可欠となる冷間圧造金型については、当社では金型に特殊なコーティングを施すことで、金型の摩耗を抑えて耐久性を向上させております。圧造・転造金型の寿命を大幅に向上させることで、金型交換にかかる時間・費用を抑えつつ、高い継続精度を維持して製品の提供をしております。
材質提案によるコストダウンと機能性向上
ステンレス製の締結部品に関する当社の特徴としては、お客様のニーズに応じて、使用環境や要求性能(強度、耐食性、加工性)に基づき、適切なステンレス材種をご提案しております。たとえば、SUS430への材質変更でコスト削減と機能向上を両立させた実績等があります。
また、ステンレス以外の材質にも幅広く対応しており、多様な製品ニーズに応えられる体制を整えています。
>>試作から多品種少量生産まで、チタン製ネジや各種メッキ、ネジの緩み止め加工まで担う「対応力」
多種多様な製品ラインナップ
当社では、インサートナット、特殊ボルト、段付きピン、リベットなど、用途に応じた多様なステンレス製品の製造実績がございます。モビリティ、自動車、空圧制御、太陽光発電システムなど、幅広い産業分野に特化したステンレス製品を製造し続けておりますので、ステンレスの材質特性を最大限生かした製品によって、業界固有の課題を解決しています。
顧客の期待を超える提案力
当社は、単なる製品提供やコストダウンにとどまらず、緩み止めや軽量化、表面処理などの付加価値提案を行います。たとえば、ステンレス製品に対するSSブラック仕上げやパシベート加工による耐久性向上、外観の美しさと機能性を兼ね備えた製品設計など、様々な角度でご提案を行い、実際に採用をいただいて、高い評価を得ています。お客様の要望以上の提案を通じて、長期的な信頼関係を築いております。
>>独自の金型設計ノウハウと複合加工の応用力で、異形状部品をモノにする「提案力」
太陽精工は、「目利き力」で最適なご提案をする冷間圧造加工のプロフェッショナル集団です。特注ステンレス製ネジ・ボルトのことなら、ぜひ当社までお任せください。
ステンレス製ネジ・ボルトの事例紹介!
続いて、実際に当社で製作した、ステンレス製のネジ・ボルトの製品事例をご紹介いたします。
M4インサートナット
一般的な形状のインサートナットです。回転方向の抜け止めにアヤメローレット形状、垂直方向の抜け止めとしてセンターに鉢巻き溝を入れています。
バー材からの切削の為、ネジタップ後にリーマ加工をする事で、内径精度0.03以内の精度確保をして量産する事が可能です。
成形後の歩留りも少なく、樹脂成形メーカ様からもお喜び頂けている製品です
丸ノコ定規ネジ
本製品はモビリティ関係のリア変速機の歯車(プーリー)部の摺動軸となるボルトとして使われています。摺動軸となるため軸公差・垂直度は非常に厳しく、また変速・振動にも耐え得る強度も持ち備えたボルトです。
六角穴付皿ボルト
本製品はモビリティ関係のリア変速機の歯車(プーリー)部の摺動軸となるボルトとして使われています。摺動軸となるため軸公差・垂直度は非常に厳しく、また変速・振動にも耐え得る強度も持ち備えたボルトです。
フラッシュカシメナット(切削品)
本製品はバーリング加工での無理曲げによる母材の膨らみを嫌う製品(外観部品)にオススメな製品です。本製品の特長とは、板金に対して完全に埋め込まれる構造となっているため、表面をフラットに仕上げたい場合に使用されるクリンチングナットとなっております。当社はクリンチングナットの様々なサイズやバリエーションがあります。
スイッチピン
本製品は、SUS430で製造しています。従来はSUSXM7で製造を行っていましたが、コストダウンを検討されていたため、SUS430に材質変更の提案を行いました。形状としては、段付きピンで軸部端面からφ2.5mm、深さ3mm程の穴が空いており、ヘッダー加工での穴あけを行ってことで切削レスとなり、トータルコストダウンを実現しました。
四角ボルト
この製品は、頭部の四角形状と軸の形状が特徴的です。四角形状については、頭部を圧造で丸く打った後にトリミングにて四角形状に加工しています。軸の形状については、首下ローレットを施した後にねじを切っています。ローレットは、首下すぐの箇所に施しています。ねじ部に関しては、軸が長いために先端に7.2mmのねじを切る際に不安定になることがありますが、弊社の転造技術によってそれをカバーした製品です。
フランジ付短寸ボルト
こちらの製品は自転車の部品として使用されています。
本製品の特長といたしましては、首下不完全ねじ部が短いことがポイントです。十字穴に対して軸の同心度をお客様からの要望を頂いたため、切削後の偏心確認を行っています。こちらの製品はネジ部が極端に短いため、もみ切り転造にて加工することで安定した良品供給が可能になっております。表面処理においても外観・製品寸法・耐食性を損ねないSSブラックを採用しています。
六角穴付特殊テーパー頭ねじ
こちらの製品は、頭にテーパーが入ったトラスねじになっています。お客様からの要望として、緩みにくく軽量化したいとありましたので、テーパーを頭に入れることで、軽量化+外観面で大きく貢献しています。また緩み止め加工をネジ部に施すことでお客様からの要望を要望以上に提案できた製品になっています。
六角穴付き特殊ナット
こちらの製品は、全切削にて成形しております。全切削で成形しているため、精度は100分の1まで追求しております。本製品を量産するにあたって六角穴形状が切削加工においては難点となります。穴をあけるだけではなく形の成形を行うため、技術的ノウハウが詰まっています。また生産キャパシティにおいても全切削では難しい供給キャパもしっかり確保しており、品質・供給ともに弊社の主力商品です。
ボンド付き小ねじ
こちらの製品は、自動車向けのボンド付き小ねじです。仕入先様からブランクを購入し、ボンドのコーティング加工まで一貫対応しています。ネジ外観と緩み止めの機能面のどちらにおいても、お客様より好評をいただいております。
特殊インサートナット
こちらの製品は、空圧制御機器向けのインサートナットです。
全切削で形状全体を製造し、転造でアヤメローレットを付けている製品です。ナットとしての機能を果たすことはもちろんのこと、ローレット加工を施すことで、樹脂との食いつきがよくなり、ボルトで締結した際に樹脂の中で空回りしないよう製造しています。
ボンド付き段付きボルト
こちらの製品は、モビリティ向けのボンド付き段付きボルトです。
加工ポイントとしては、不完全ねじ部が短いこと、十字穴が深いこと、追加工としてボンドを塗布し緩み止め加工を施している点が挙げられます。径も細いこともありますが軸部がそれ以上に長いのでネジを成型する際のダイスへのくい付きタイミングが難しい製品です。
平頭段付きピン
こちらの製品は、平頭段付きピンです。加工ポイントとして、軸部切削の際に、Rを除去しています。またこちらのピンはステンレス製のピンのため、パシベート加工にて耐食性を向上させています。
住設用クレセントねじ
こちらの製品は、住設用クレセントねじです。主にクレセント錠に使用されています。
こちらのボルトは、座面下に4点のくぼみがあり、切削加工にて軸部を細くしています。先端部に切削での面粗さをわざと残すことにより、樹脂に埋め込んだ際の食いつきがよくなるよう加工された商品です。また座面下にくぼみをつけることにより、接地面にめり込むことで緩み止め効果が生じます。
中空リベットφ4
こちらは墜落制止用器具向けの中空リベットです。
本製品は過去全切削での量産が行われていましたが、当社にご相談を頂き圧造での量産を行いました。加工のポイントとしては端面の穴になりますがこちらを圧造での穴あけを行うことにより工数削減を実現し、コストダウンを実現することができました。また、ステンレスの防錆効果を高めるためにパシベート加工をご提案したため、よりご満足いただけた商品です。
特頭リベット先端C面(φ3.7)
こちらは自動車用シートベルト巻取り装置向けの特頭リベット先端C面です。
写真でもお分かりいただけるかと思いますが、非常に特殊な異形頭部形状となっております。また、先端C面は転造によるもみ付けとしております。自動車用シートベルトの巻取装置に組付けられており、プリテンショナ機構の部分で使用されています。そのため特殊な形状が必要で、真っ先に当社にご相談をいただいた製品でした。
ローレット付きナット
こちらは自動車向けのローレット付きナットです。
こちらの製品は、全切削にて製造しております。製品の特長としては、製品中ツバ部にあるローレット加工です。樹脂にホールドされる予定の製品のため、ねじを締結した際に緩まないようにローレット加工をしています。また、両側からねじを入れ込むことができる仕様になっており、お客様のご要望を叶えた製品になっています。
六角穴付特殊ボルト(M6×P1.0)
こちらはモビリティ業界向けの六角穴付特殊ボルトです。
写真では少しわかりづらいかもしれませんが、圧造にて六角穴の深さを座面近くまで打ち込んでいます。そのため、パンチを打ち込んだ際に引っ付きが生じるため、加工難易度としては高くなります。しかし当社の特殊ねじを作り続けてきた経験と技術から、量産を可能にしました。また、屋外での使用・屋外での保管を鑑みて、ステンレス専用の防錆処理を施しています。
頭部深くまで六角穴加工を冷間圧造加工で対応するのは、なかなかお伝えしづらいのですが、実はかなりハイレベルな技術力が必要とされ、対応可能な企業も限られてしまいます。
イモネジ(SSブラック)
こちらは、モビリティ業界向けのイモネジです。協力企業にて圧造ブランク後に、表面処理、コーティングを行い、製品を製造しています。寸法公差が厳しい製品ということもあり、SSブラックにて表面を黒色にしています。またコーティングによりねじが抜けにくくなるように加工しております。
低四角頭トリミングボルト(M6×P1.0)
こちらは自動車向けスポイラー締結に使用される低四角頭トリミングボルトです。材質はSUS XM7で、頭部厚み1.0と非常に薄く、かつ頭部四角形状となっているため、圧造後にプレスにてトリミングをしております。
±ナベ頭小ねじ(M5×P0.8)
こちらは自動車向けの±ナベ頭小ねじです。ごく一般的なネジ形状です。頭部穴形状がプラスマイナスを採用しているため、プラスドライバー・マイナスドライバーともに製品の締め付けを行える製品になっております。
四角頭貫通穴付シャフト
こちらは墜落制止用器具に使用される横穴付き四角頭段付きピンです。お客さまからご相談いただいた際にお伺いしたところ、以前は角材から全切削で製作されていたとのことでした。材質がSUS304系ということで、四角形状、段部の薄肉箇所の金型耐久性が非常に悪くなるため、圧造加工での難易度は非常に高く、切削が採用されていたようです。しかし墜落制止用器具(安全ベルト)の小型化、軽量化が必要で、別工程を検討したいとのことで、当社にご相談いただきました。
中ツバ段付きピン
こちらは墜落防止機器向けのバックルに使用されております中ツバ段付きピンです。
お客様では以前、棒材から全切削で量産されていた製品とのことでしたが、コストダウンをご希望されて、当社までご相談いただきました。
材質はSUSXM-7系のため、細軸を絞り可能な部分まで金型で成形し、二次加工切削で仕上げております。切削図面からの形状、公差もほぼ変更せずにニアネットシェイプが出来た製品です。結果として全切削からの工法転換でコストダウンを実現することができました。
六角穴付傘頭M5ボルト(M5×P0.8)
こちらはモビリティ業界向けの六角穴付傘頭M5ボルトです。圧造工程の六角穴深さと、頭部の滑らかなR形状、緩み止め機能の3つが特徴です。材質もSUS XM7という加工性の良い材料ではありませんが、この手の形状は大量生産を得意としております。
平目ローレット付インサートナット
こちらは空圧制御設備向けの平目ローレット付インサートナットです。SUS304の棒材から全切削で加工して生産いたしました。こちらのインサートナットは、お客様にて樹脂金型にインサートして成形する製品のため、雌ネジタップ後の内径が非常に重要となりました。そのため当社では、仕上げ工程で内径にリーマ加工をして、精度UPをいたしました。
異形頭小判軸リベット
本製品はもともとお客様が切削メーカーから購入していた商品でした。全切削であることから製造キャパシティの問題に直面され当社にご相談を頂きました。
当社での加工のポイントは、異形頭+小判軸を圧造のみで仕上げたリベットであるということです。自転車向けのリベットで、強度や耐摩耗性を向上させる必要があったため、SUS410材に真空熱処理を施すことで対応いたしました。また、お客様がカシメ組付けをする際に、頭部と軸部の位相を決める必要があったため、圧造時の金型セッティングに細心の注意を払いました。
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