小径ピンとは?加工方法や材質ごとの特徴まで徹底解説!
近年、電子機器や医療機器の小型化・高精度化は加速度的に進んでいます。そこで、それらを支える部品として需要が高まっているのが「小径ピン」です。
「細すぎて強度が心配」「どのようにして小径ピンは作られるのか」「どこに製作依頼を出したらよいか分からない」といったお悩みを解決するため、本コラムでは小径ピンの基礎知識から加工のポイント、材質選定まで詳しく解説します。
小径ピンとは?
一般的に小径ピンとは、外径が数ミリのものを指します。さらに精密な領域ではφ0.1mmといった、目視では捉えきれないほど微細なピンも存在し、それらは微細ピンやマイクロピンなどとも呼ばれています。
主な形状と役割
用途に合わせて、以下のような様々な形状へと加工されます。
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ストレート形状: 基板の基準ピン、位置決め用の芯ピン、各種コネクタのコンタクトピン。
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先端加工形状: 導通検査用に鋭利に尖らせた「ニードル形状」や、相手材を傷つけない「球状(R加工)」、「円錐・テーパー形状」など。
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特殊形状: 抜け防止や段差を設けた「ツバ付き(フランジ付き)」、Oリングやパッキンを固定するための「溝入れ加工」など。
代表的な使用用途と業界
小径ピンは、単に「小さい部品」というだけでなく、製品の小型化・高性能化を実現するためのキーパーツとして、様々な最先端分野で不可欠な存在となっています。
①半導体・電子部品業界
スマートフォンの高機能化やウェアラブルデバイスの普及に伴い、電子部品の実装密度は極限まで高まっています。基板の検査を行う「プローブカード」やICソケットに使用されるコンタクトプローブ(検査用ピン)には、狭ピッチ化に対応するため、φ0.3mmを下回るような極細かつ高精度なピンが大量に求められます。微細なバリ一つが検査不良に直結するため、厳しい品質基準が設けられています。
②医療機器業界
患者への負担を軽減する「低侵襲治療」の進展により、カテーテルや内視鏡の細径化が進んでいます。これらの先端操作部や、薬剤を注入する微細なニードル、カテーテルの剛性を確保するための芯材(マンドレル)として、小径ピンが使用されます。人体に触れるため、高い安全性(生体適合性)と、血管などを傷つけない滑らかな表面仕上げが不可欠です。
③精密金型業界
コネクタや小型レンズなどの精密プラスチック成形において、微細な穴や複雑な内部流路を形成するためにコアピン(入れ子ピン)が使用されます。成形時の高い圧力と熱に耐え、かつ数万ショットの成形に耐える耐摩耗性が求められるため、超硬などの高硬度材を用いた小径ピンが多用されます。
④通信業界
大容量通信を支える光ファイバーコネクタにおいて、ファイバー自体を保護し、中心を正確に位置決めするためのフェルール用ピンとして活用されます。ミクロン単位の軸ズレが通信損失に繋がるため、真円度や円筒度において究極の精度が要求される分野です。
小径ピンの製作方法:切削加工と研削加工の使い分け
小径ピンの製作には、主に「切削加工」と「研削加工」の2つの手法があります。これらはどちらかが優れているというわけではなく、製作したいピンの「太さ(径)」や「形状」、「要求精度」によって最適な方法が選択されます。
1. 数mm~のピン製作に適した「切削加工」
一般的にφ1mm〜数mm程度のピン製作では、旋盤を用いた「切削加工」が主流です。回転する材料に刃物(バイト)を当てて削り出すこの手法には、以下のメリットがあります。
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形状の自由度: 段付き加工、テーパー、ネジ切り、溝入れなど、複雑な形状を一括で加工するのに向いています。
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生産スピード: 除去体積が大きい場合、研削に比べて短時間で形を作ることが可能です。
しかし、径が細くなる(特にφ0.5mm以下)につれ、刃物が材料を押し付ける力(切削抵抗)によって材料が「たわむ」現象が顕著になります。これにより、寸法精度の維持や折損防止が難しくなるという側面があります。
2. φ0.5mm以下の極細ピンに威力を発揮する「研削加工」
φ0.5mmを下回るような極細ピンや、μm単位の超高精度が求められる場合には「研削加工」が選択されます。
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低負荷な加工: 高速回転する砥石で表面を微細に削り取るため、切削に比べて材料への負荷が圧倒的に小さく、細長いピンでも曲がりや折れを抑えられます。
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高精度・高面粗度: 切削よりも優れた寸法精度(±0.001mm単位など)と、鏡面に近い滑らかな仕上げ面が得られます。
特に「センタレス研削」という手法では、材料をチャックで固定せず支持台と砥石で支えるため、たわみの影響を最小限に抑えた量産が可能です。
使用される材質と製品種類
小径ピンの設計において、寸法と同じくらい重要なのが材質選定です。細くなればなるほど強度が低下するため、用途に応じた適切な材料を選ばなければ、「組み付け時に曲がる」「使用中に折れる」といったトラブルに直結します。
超硬合金
特徴: ダイヤモンドに次ぐほどの硬さを持ち、耐摩耗性は抜群です。最大の特徴は「ヤング率(縦弾性係数)」が鋼材の約2~3倍と非常に高い点です。これは「同じ力を加えても変形しにくい(剛性が高い)」ことを意味し、細くてもたわみにくいため、高精度な位置決めピンや検査用プローブに最適です。
注意点: 非常に硬い反面、脆さ(もろさ)も併せ持つため、衝撃には弱い性質があります。
タングステン
特徴: 金属の中で最も融点が高く、耐熱性に優れます。超硬と同様に高硬度・高剛性であり、特にφ0.5mm以下のような、超硬でも加工が難しい極微細領域での微細線加工に適しています。
用途: 半導体の微細化に伴う超極細プローブピンや、放電加工機の電極線など。
ステンレス鋼(SUS304 / SUS316L 等)
特徴: 優れた耐食性(錆びにくさ)が最大の特徴です。汎用的なSUS304のほか、医療分野では、より耐食性を高め、金属アレルギーのリスクを低減したSUS316Lなどが好んで使用されます。加工性は超硬などに比べて良好で、コストパフォーマンスにも優れます。
注意点: 超硬に比べると剛性が低いため、細く長い形状では曲がりやすくなります。熱処理による硬化ができない鋼種(オーステナイト系)が多いため、硬さが必要な場合は注意が必要です。
小径ピンの事例紹介
続いて、実際に当社が製作した小径ピンの製品事例紹介です。
φ1.95ミニピン
本製品は基盤のもとのベークライト板をカットする際の位置決めピンとして使用しております。本製品の加工のポイントは、バー材のチャッキング径が通常最小φ3程度であるのに対して、軸径がφ1.95とかなり小さいものになっております。
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