真鍮⇒アルミへの材質変更を行い、真鍮の価格高騰と鉛規制の問題を解決!
昨今の環境規制の強化や原材料価格の高騰を受け、現在使用している材質が将来的にリスクになるケースが増えています。今回は、従来「真鍮(C3604)」を使用していたカラー部品において、環境負荷物質の「鉛」の規制対応を目的とした、アルミ材への材質変更と電蝕対策を実現した技術提案事例をご紹介します。
鉛規制への不安と真鍮価格の高騰が課題に
お客様より、現在「真鍮(C3604)」を使用して製造している製品について、他の材質へ変更できないかとご相談をいただきました。背景には大きく2つの課題がありました。
1. 環境負荷物質(鉛)に対する将来的なリスク
C3604には鉛が含まれていますが、昨今の環境負荷物質規制の観点から、今後さらに規制が厳格化される可能性が高まっています。将来的な供給停止や仕様変更を未然に防ぐため、先行して「鉛フリー化」を進めたいというご要望でした。
2. 真鍮のコスト上昇
近年の銅相場の高騰に伴い、真鍮材のコストも上昇傾向にあります。お客様はコスト意識が非常に高く、代替材によるコストダウンを模索されていました。
しかし、当該製品は「接水部付近」で使用され、かつ「相手材がステンレス」という条件がありました。安易な材質変更は、異種金属が接触することで発生する「電蝕(電位差による腐食)」を引き起こす懸念があり、慎重な選定が求められる状況でした。
適切な表面処理を行い、真鍮からアルミ化と電蝕防止を両立
当社からは、真鍮の代替として「アルミ」への材質変更をご提案いたしました。
アルミは真鍮に比べて安価で軽量ですが、ステンレスと接触する環境下では電蝕が発生しやすいという弱点があります。そこで当社は、単なる材質変更にとどまらず、電蝕を抑制するための最適な表面処理をセットで提案させていただきました。
具体的には以下の内容を提案、実施いたしました。
- 材質変更: 真鍮(C3604)からアルミ材へ変更しました。
- 表面処理の付加: ステンレスとの電位差を考慮し、腐食を防ぐ特殊な表面処理を施すことで、接水部付近でも安心して使用できる仕様としました。
- 形状維持: 従来の真鍮製品と同じ形状を維持し、設計変更の手間を最小限に抑えました。
これにより、以下のメリットを実現することができました。
- コスト抑制: 高騰する真鍮からアルミへ変更したことで、コストの抑制に成功。
- 供給・環境リスクの解消: 鉛フリー化を実現し、将来的な規制対応と供給不安を一掃。
- 機能性の担保: 適切な表面処理により、懸念された電蝕の問題をクリア。
お客様からは、「コストとリスクの両面を一度に解決できた」と大変高い評価をいただきました。
アルミは加工性に優れ、複雑な形状の切削品や、圧造化が難しい製品の代替材として非常に適しています。一方で、今回のような「異種金属間での電蝕」など、材質特有の性質に合わせた対策が必要となるケースも多々あります。
当社では、ネジ・締結部品の製造だけでなく、長年培ってきた材料選定の知見や、表面処理に関する豊富なサプライヤーネットワークを有しています。
「環境規制に対応したい」「コストを下げたいが、品質や耐久性は落とせない」といったお悩みがございましたら、最適な工法・材質・処理をトータルでご提案いたします。ぜひお気軽にご相談ください。


締結部品の