ジオメット処理とは?特徴から採用事例までご紹介

ジオメット処理とは有害物質を含まない防錆力に優れた表面処理技術です。通常膜厚が8μ程度になっており均一に薄く塗れるので、ボルトやナットのネジ山が埋まる心配もありません。今回は環境に優しくかつ高機能な表面処理技術であるジオメット処理の強みと採用事例についてご紹介します。

ジオメット処理とは?

ジオメット処理とは優れた防錆力を添加させることが可能な表面処理技術です。従来はダクロタイズド処理が一般的でした。しかし、近年は世界中で環境問題が取り上げられ、防錆表面処理で有効とされてきた六価クロム化合物は使用が制限又は削減されていく方向にあります。そこで誕生したのが、優れた防錆表面処理を活かしつつも、六価クロムを使用しないクロムフリーの仕様であるこのジオメット処理です。

ジオメット処理皮膜はシルバーメタリックな外観で、その構造は金属フレークが層状に重なり特殊無機バインダーにより結合された形になっています。膜厚は8~10μm程度の薄い皮膜ですので、ボルト、ナットとの嵌合も良好です。また焼付塗装のため、水素脆性の恐れは無く2C2B(2コート2ベイク)が標準工程となります。

ジオメット処理の強みとは?

ジオメット処理の強みとして以下の点が挙げられます。

①耐食性と耐熱性に優れている

先述の通り、耐食性能はダクロタイズド処理の防錆力を継承しているために優位です。処理液を塗装、焼付けして形成された皮膜は塩水噴霧試験(2,000h)とサイクルテストにおいても格段に優れたレベルを発揮します。また耐熱性においては、熱劣化を起こしやすい結晶水や有機樹脂を含まないので高温に長時間(300℃×8h)耐えることが可能です。亜鉛めっきを凌ぐ耐食性と耐熱性を持つジオメット処理は、水素脆性を生じる恐れが無い表面処理のため国内外の自動車規格、防錆規格に制定され、自動車部品を始め、土木、建築用途にも多く使用されております。

②異種金属接触腐食に防止効果がある

通常、異なった腐食電位を示す金属や合金が接触するとき、アルミ部材とアルミに比べて電位差の異なる金属(鉄やステンレス)が組み合わされた場合にガルバニック腐食(異種金属接触腐食)が生じる恐れがあります。亜鉛めっきのボルトをアルミパネルに取り付けた場合、亜鉛はアルミに対して腐食電位は卑なため、皮膜の犠牲防食作用が続く間はアルミニウムに対し保護作用がありますが、亜鉛金属が消費されると鉄素地が露出し、鉄がアルミに対し貴であるためにアルミニウムとの間で電食が生じます。

ジオメット処理された製品の場合、ジオメット皮膜は腐食電位がアルミニウムに近いこと、コントロールされた亜鉛の犠牲保護作用を有することにより亜鉛金属の消耗は抑えられ、アルミニウムに対する保護効果は長続きします。また、アルミ材にステンレスボルトを直接取り付けた場合、上記の腐食電位作用によりアルミ板に孔食が生じますが、このステンレスボルトにジオメット処理を行うことによって、アルミニウムの孔食防止に効果がある事が確認されております。

③各種金属への処理が可能

ジオメット処理が可能な素材は、鉄や鋳鉄はもちろんのこと、ステンレス材、アルミ系材料、焼結金属など極めて広範囲に及びます。これに加えてジオメット処理及びプラス系処理の各種の特性を組み合わせてご検討頂ければ、従来の表面処理では到底おこなえなかった特徴ある表面処理が可能となります。

ジオメット処理された締結部品の採用実績多数

当社では自動車部品、自転車部品のようなモビリティ向け部品、産業機器において、多数のジオメット処理製品を取り扱っております。

❶ジオメット+PLUS#50

潤滑性UPを目的としたプラス系処理を行う事により圧入力の軽減を実現。相手材へのひずみ、応力の集中を軽減する事ができております。

❷ジオメット+WAX

WAXにつけるだけ?と疑問に思うかもしれませんが、想像以上の滑り性を発揮し、圧入のし易さ+耐食+耐腐食性能を発揮いたします。

 

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