カシメナットとは?比較される溶接ナットとの違いとは

カシメナットとは「加締めナット」の意味で、母材の板厚が薄い場合やタップ加工出来ない場合に、大きな圧力を加えて形状を変形させ、締結するナットのことを指します。昨今の軽量化要求に伴い、カシメナットの需要は非常に高まっています。そんなカシメナットですが、実際に製造する際には、いくつか注意点があります。

ここでは、カシメナットとは一体どのようなものか、比較される溶接ナットとの違いはなにか、そして実際に当社が製作した事例まで、まとめてご紹介いたします。

 

カシメナットとは?

カシメナットとは「加締めナット」の意味で、母材の板厚が薄い場合やタップ加工出来ない場合に、大きな圧力を加えて形状を変形させ、締結するナットのことを指します。ねじ山が破損してしまう場合に補修の役割を担うことができるので、主に圧入して用いられます。カシメナットは大きく二種類に大別され、リベットのように母材に対し締結部材自体が塑性変形し締結できるナットともう一方はクリンチングといった母材自体を変形させるタイプに分けられます。
下記にてクリンチングについても詳しく解説しております。こちらも合わせてご覧ください。

>>「クリンチング」について詳しくはこちら

 

カシメの仕組み

溶接ナットよりもカシメナットが選ばれる理由

自動車業界での軽量化要求に伴い、カシメナットと同じく溶接ナットの需要が高まっています。しかし薄肉化による軽量化には強度不足が懸念されるために、昨今は普通鋼板から高張力鋼板への設計変更が増加しています。この高張力鋼板に溶接を行うと割れやすいといった溶着不良を起こす可能性が非常に高く、溶接ナットや溶接ボルトが使用できない場合が往々にしてあります。また、同様にメッキ鋼板を使用するケースも増えており、溶接ナット・溶接ボルトにメッキ処理を施して使用する必要があります。この場合に起こるメッキ同士の溶接は不安定要素が多く、組合せ後に完成品ナットが外れるという剥離不具合が発生します。

そこで、溶接ナットからカシメナットに変更することで、下穴径の管理とプレスストロークの管理等を行えば、溶接後の剥離や溶接スパッタによるネジ不通、 溶接ナットの焦げがなくなり、熱による脆弱性の心配が無くなります。また、プレス品の形状にもよりますが、溶接ナットからカシメナットへ変更する事で順送プレスの工程内で加工をすることで、工程の短縮化、生産能力の 安定化をはかることができます。

ただ、単純にカシメ系に変更するだけでは、カシメ後の空転トルクや保持力が設計要望をクリア出来る訳ではありません。先の高張力鋼板は様々な硬さや強度に分かれており、強度が高いものほど安易に選定をしたカシメナットでは対応出来ない場合があります。例えば、SPFH980材に対し強度区分10.9のカシメナットは加締めることが可能ですが、材料メーカーが異なった場合で加締めるが出来ないこともあります。このような点を考慮した、見極めが非常に重要となります。

カシメナットと溶接ナットの使い分け

母材に対して溶接をすると、溶接歪みによって変形や変質を起こしてしまいます。このような歪みを抑えたい場合や取り付け後に外す可能性がある場合はカシメナットの方が優位です。また、溶接ボルトは溶接時に部材の硬度や条件次第で頭部が飛んでしまう恐れがあり、溶接スパッタによる品質懸念があるために通常はカシメナットが推奨されます。ただ、強度に関しては接合部分と母材が一体化になる溶接ボルトの方が優位であり、取り付けにおいても下穴が不要になるので、こちらにおいても優位です。したがって、お客様の使用環境によって選択されるケースが多いです。

カシメナットにおける当社の強み

お客様からご相談いただく内容として、カシメナットが外れるといったケースがあります。先述のように強度の面ではカシメ系は溶接系よりも劣位です。カシメナットは母材と一体化しないため、接合部分に負荷がかかることにより耐久強度を超えた場合は外れてしまいます。また取付の際に下穴を空けますが、管理がシビアになるため、穴あけを雑にしてしまうことで機能を果たせないといったパターンもあります。

このようなお客様の課題を捉え、最適なカシメナットを提供できるのが当社の強みです。お客様の中にはアメリカのPEM社が製造した規格品を使用している方もいますが、当社は規格品にないカシメナットを製造しています。例えば、厚みや径、段付き・中溝といった形状をお客様仕様で柔軟にカスタマイズすることが可能です。設計した通りのカシメナットが欲しいとお思いの方は、お気軽にご相談ください。

カシメナットの事例紹介

続いて、実際に当社が製作したカシメナット・ボルトの製品事例紹介です。

高強度カシメナット(切削品)

本製品はバーリング(フランジ加工)や溶接が難しい箇所などに使用される製品です。本製品は薄板に雌ネジを付与することで強度を持たせることが可能です。オフィス家具であったり照明機器などの外観性が重視される業界に使用されることが多く、当社は豊富な製造実績がございます。当社が得意とするのは規格品にないカシメナットの製造です。例えば厚みや径、段付き・中溝といった形状をお客様仕様で柔軟にカスタマイズすることが可能です。設計した通りのカシメナットが欲しいとお思いの方は、お気軽にご相談ください。

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フラッシュカシメナット(切削品)

本製品はバーリング加工での無理曲げによる母材の膨らみを嫌う製品(外観部品)にオススメな製品です。本製品の特長とは、板金に対して完全に埋め込まれる構造となっているため、表面をフラットに仕上げたい場合に使用されるクリンチングナットとなっております。当社はクリンチングナットの様々なサイズやバリエーションがあります。お客様の使用用途に合わせ、最適なクリンチングナットを提案させていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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特殊三条ねじ(ASSY品)

こちらの製品は、空圧制御設備向けの特殊三条ねじ(ASSY品)です。三条ねじとは、1回転させた際にねじ山3つ進むねじです。圧造後に切削、転造を行い、表面処理後にナット組付け、最後にカシメでASSYを行っています。このようなASSY品は、当社のみでは対応できませんが、独自の調達ネットワークを駆使して製作いたしました。様々な協力会社様の技術が詰まった三条ねじとなっています。

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