転造加工に潜む注意点とは?

技術コラムの「転造加工とは?」「フォームローリング加工とは?転造との違いから特徴まで解説!」では転造加工については基礎的な知識を解説しておりますが、

今回は 平ダイス転造の加工メカニズムを技術的にさらに深堀りして解説を行います。

転造加工の加工プロセスの解説とともに、そこで起こる注意点について、転造加工を得意とする特殊ネジ カスタム部品製造.comが実践で培った経験をご紹介します。

みなさんへお届けする製品を支えている、弊社の得意とする製造技術の裏側を 少しだけご覧ください。

転造加工とは?

まずは転造加工について解説します。

転造加工とは塑性加工の一つで、素材に強い力を加えて盛り上げて成形する加工方法です。材料の可塑性を利用して、転造ダイスを回転している加工対象物に押し当てる技術です。転造加工は切削加工と比較すると、生産性が高く、加工品質が安定しているため、ネジや歯車等の回転対象体の部品加工に広く用いられています。

>>転造加工とは?

>>量産加工に優れる転造加工とは?

特に、ネジ(マシンスクリュー)転造加工は、山と谷の体積がほぼ同じ(正しくはごくわずかに違う)ことが特徴で、平ダイスの凸形状の山(※画像左)がが平坦なワークを押し込み肉をすぐ横に盛り上げることができるため、これらの繰り返しで、谷と山が成形されていきます。

更に詳しく解説しますと、この変形は平ダイスの「食い付き部テーパー」によって、転がりながら徐々に行われるため、谷部分が浅いところから深くなるにつれて、押しのけられた肉がすぐ隣に盛り上がります。

更にそこから隣の谷から押しのけられた肉と合わさって一つの山となり、最終的にその肉の山の山頂が平ダイスの歯面の谷に当たると、谷Rより滑らかなRが山頂に形成されます。これを「トップロール」といいます(※画像右)。

トップロールとは?

先ほど解説した「トップロール」ですが、実はこの滑らかなR、トップロール部分はネジの締結力に影響を及ぼしません。

その理由としては、オネジの山頂部は、メネジの谷底部には接触しないように取り決められているからです(※下画像)。工学系の学科で習われた方もいらっしゃると思いますが、「ネジの締結力は、フランク面(山と谷を結ぶ斜面)の摩擦抵抗によって生じる」のです。

転造加工に潜む注意点

次に、転造加工を行う際の注意点ついて解説します。

先ほど、転造加工によるネジ部の成形方法について解説しましたが、まず平ダイスの転造において固定ダイスを押した際、トップロールが出来た次の瞬間から押しすぎによる不具合が生じ始めてしまうという注意点があります。

不具合して代表的なものは、肉が余ってしまうことによる「」と呼ばれる鉄粉が生成されること、「ヒゲ」と呼ばれる細い糸状の物が生成されること、「バリ」と呼ばれる鉄片などの余剰物が発生してしまうこと、また、それが排出部に堆積することなどが挙げられます。

特に問題なのは、製品に押し付けられてくっついてしまったり、製品に跡形が残ったりして製品美観を損ねるだけでなく、くっついたものが後から剥がれてトラブルを生じさせることです。

このような美観性や品質を損なう不具合がでないように、転造加工時は細心の注意を払う必要があります。

特に、注意が必要なのが機械の調整です。機械は、気温の変化や加工時に発生する熱の蓄積にも影響を受けるため、熱膨張によってこの微妙なセッティングが わずかに狂ったり、同じ加工条件を今まで通りで加工していても変化してたりしてしまうこともあります。
特殊ネジ カスタム部品製造.comは、これらも想定してセッティングを行うと同時に、頻繁な製品チェックだけでなく機械の温度にも注意してこれらの不具合を未然に防いでいます。

転造加工でのセッティングの重要性

最後に、転造加工でのセッティングの重要性について解説します。

成形されたネジは、「逃げテーパー部」によって加工圧から解放され、回転を続けながら、排出部へと飛びだして排出シュートにより機外へ排出されます。
良くないセッティングでは、製品の落下位置は大きくばらつきがちですが、良いセッティングにおいては、製品はほぼ同じ飛行軌跡で同じ所へ落下します。

良いセッティングを行うことで、不良率はほぼゼロとなり、ダイス寿命も長寿化することができます。そのため、転造でのセッティング工程は作業者の腕の見せ所(製品の良し悪しを決めるもの)でもあります。

 

当社が保有する転造機を一部ご紹介!

 

①平ダイス式転造機 HRC-W

こちらは東田機工製のHRC-Wです。パーツを送るためのレールが水平になっていることがポイントです。頭が小さい製品などはレールの上を流れにくく、転がり落ちる可能性が出てきます。ただ当設備のレールは水平式になっており、レールを送る際に振動を使用するため形状が複雑な製品でも脱落することなく流すことができます。

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②平ダイス式転造機 NTR-1000

こちらは東田機工製のNTR-1000です。アームの動き方が特徴的になっており、スウィングアームなっています。スウィングアームはギアで動かすため、ダイスの移動距離を稼ぐことが出来ますので、長い距離を移動させたい場合には本機械を使用することでネジ部の成型が綺麗になります。

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③平ダイス式転造機 HRE

こちらは東田機工製のHREです。平ダイス式転造機の精度に影響するスライド部の構造が転造圧がかかっても下がらない設計をしているために、精度が出しやすいことが特徴です。
さらに他社のフレームとは異なり十分な肉厚と強力なリブのH型構造をいるため、ワークの軸心のブレず溝加工や球面加工の複雑加工を実現します。

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転造加工のことなら、特殊ネジ カスタム部品製造.comまで!

当社の転造加工技術を用いることで、大きなコストダウンを実現することも可能です。現在二次切削で形状加工をしているが、生産性を上げたい、コストを抑えたいというお悩みをお持ちの方には、ぜひ技術提案もさせていただきます。

 

また、特殊ネジ カスタム部品製造.comでは、2ダイ3ブローによる斬新な冷間圧造加工で、高精度のヘッダー加工を行うことが可能です!

また、長年の経験と技術によりネジやボルト、ピン、リベットなどのパーツ等の量産はもちろん、設計段階からのコストダウン提案などもさせていただきます。

フォームローリング加工についてお困りの方はお気軽にご相談ください!

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