つまみネジとは?つまみネジの特徴や種類、加工方法をご紹介!
つまみネジとは、その名の通り手でつまんで締結するネジのことです。頭部にアヤメローレットや平目ローレットを行うことで、滑り止め効果を付与し、手作業での締め付けや緩め作業を素早く行えるのが特徴のネジになります。
ここでは、つまみネジの特徴や種類から、つまみネジを製作する上でのポイント、そして実際に当社で製作したつまみネジの製品事例まで、まとめてご紹介いたします。
つまみネジとは?
ネジは一般的に十字穴やマイナス溝を用いてドライブ(回転)させて締結させますが、つまみネジはネジの頭部自体を手で掴んで使用するため、掴み易い形状に工夫されています。
つまみネジは、その名前の通り、つまんで回すことができる頭部を持つネジです。手で回しやすく、締め付けや緩め作業を素早く行えるのが特徴です。
そのため、機械部品や家具など、手動での組み立て作業に利用されることが多いネジになります。
つまみネジの種類
■ 蝶ネジ
蝶ネジはつまみネジの中で最も一般的に使用されるネジです。
頭部には蝶のような取手が付いているため、手で締結する際に力を加えやすい頭部となっております。照明器具や家具など、さまざまな場面で利用され、手で頻繁に締め緩めする必要がある場所に適しています。
■ ローレットネジ
ローレットネジは、ツマミ部分に縦目や綾目のローレット加工を施したネジです。
頭部の側面にローレット加工があることで、直接手で取り付けをする際に滑り止めが効果があります。取り付けや付け外しが行いやすいことが特徴です。
■ ノブボルト
ノブボルトはつまみネジの中でも非常に操作がしやすく、掴みやすい形状のネジです。
ノブボルトを使えば、ねじを締めたり緩めたりするためのレンチやスパナなどの工具を使用せずに作業できるため、作業効率が向上します。
■ 化粧ネジ
化粧ネジは、装飾ビスや化粧ビスとも呼ばれ、板状のものを壁面に取り付ける際に使用される金具です。通常のネジに比べて見た目を美しくするために使用され、装飾効果を高めることができます。
つまみネジの加工方法
当社ではつまみネジを、冷間圧造とりわけ2ダイ3ブローにより基本形状を製作した後に、転造によってローレット加工を行います。その他、表面処理が必要な場合は転造後に仕上げを行います。
つまみネジを製作する上でのポイント
つまみネジは、ネジ部と頭部との大きさにギャップのあることの多いネジです。そのため、2ダイ3ブローでの製作が可能なため、多段フォーマーや全切削で製作している場合、大幅なコストダウンができる可能性があります。つまみネジは当社での加工実績が多い締結部品の1つでもあります。
このようなつまみネジを製作する上でのポイントは、主に下記の通りです。
2ダイ3ブローでの製作により最適なコストでの製造を実施
つまみネジは冷間圧造、とりわけ2ダイ3ブローでの製作が可能な製品です。すえこみ加工+絞り加工(軸を細くすること)で製作をすることにより、量産時に大幅なコストメリットを生むことができます。
2ダイ3ブローを採用するメリットとしては、金型費用が安く、イニシャルコストを抑えることができるという点が1番に挙げられます。通常のフォーマー(多段フォーマー)では、金型費用が100万円を超えてくる場合が多くなります。
しかし、2ダイ3ブローでは20万程度から金型を起こすことが可能のため、初期費用だけで見るとおよそ1/5程度に抑えることができ、大きなメリットとして働きます。
また、イニシャルコストが安くなることで、試作・少数ロット品においてもコストメリットを出すことが可能になります。多段フォーマーでは数量的に合わない製品もありますが、2ダイ3ブローでは少数ロットに対してもコストメリットを出すことが可能となります。
それに伴い、金型償却においても金型費が安いため、比較的早い段階で償却が可能となるケースが多いです。
転造によるローレット加工の実施
全切削ではなく、転造でローレット加工を行うことで、コストメリットを生むことができます。転造加工については、下記記事でも詳しく解説しております。
更に、当社は複合フォームローリング加工によりローレット加工+溝加工やローレット加工+軸の先端の加工、ローレット加工+切り飛ばし加工といった加工を同時に行うことができます。
これにより、圧倒的な工数削減を実現でき、コストダウンに繋げることができます。このような複合フォームローリング加工の技術提案力も、当社ならではの特徴です。
>>フォームローリング加工とは?転造との違いから特徴まで解説!
ローレット加工については下記記事でも詳しく解説しておりますので、こちらも合わせてご覧ください。
>>インサートナットとインサートボルトとは?またインサートの機能を果たす上で重要なローレットとは?
美観性を高める表面処理の実施
つまみネジは、外観製品として使用されるため、美観性を高めることも重要になります。当社では、美観性を高める表面処理としてニッケルメッキ処理やクロムメッキ処理、ショットブラストを実施することが可能です。
このような表面処理まで一貫対応できるのが当社の特徴です。お客様の求める製品を特注で製作することも可能です。
つまみネジでお困りの際はまずは一度ご相談ください。
つまみネジに関する技術提案事例のご紹介!
続いて、実際に当社でご提案したつまみネジに関する技術提案事例をご紹介いたします。
クリンチングスペーサーを全切削 ⇒ 圧造+切削で50%コストダウン
元々全切削にて製造されていた製品でした。バー材からの切削では、φ6から削り出す必要がある為、生産能力・コスト共に改善の余地のある製品でした。
他社では、現状の形状では加工が出来ないとの事で、当社へ依頼がありました。
全切削→圧造+切削+転造の製作へと工法転換のご提案をいたしました。工法転換に伴い、材質はSUS304→SUS XM7へ変更しました。圧造へと工法転換を行うことで・・・
つまみネジの事例紹介
続いて、実際に当社が製作したつまみネジの製品事例をご紹介します。
つまみねじ(Sタイト)
こちらは住設向けの±特平ローレットSタイトつまみねじです。まず圧造工程で頭部形状を据え込み、ネジ部の絞り加工率を高く仕上げております。その後転造工程で、頭部の平目ローレットやセルフタップねじを加工しております。今回のつまみねじは住設部品ということもあり、表面処理は外観に優れたニッケルメッキを施しています。
つまみねじ(M4×P0.7)
こちらは産機部品に使用されるプラマイ丸特平つまみねじです。
ツマミネジは、最終消費者でも締め外しができるように設計されたネジです。そのため、プラス、マイナスのどちらのドライバーでも作業できるように、プラスマイナス形状が採用されることが多くなっています。この形状は、当社では特殊パンチを使用して圧造加工しております。またコインでも締付・外しが可能にするように、マイナス形状がコイン形状に沿ったパターンのネジもあります。
のこぎり歯固定ねじ
こちらは工作用のこぎり歯を固定する目的のネジです。歯を交換する際に、外周のローレットを手で回して緩めて歯を交換します。本製品はネジ自体が外観に出る部品であり、天面の凹み部はヘッダー時の切断痕が残っているため、ショットブラストで綺麗に仕上げています。また外観製品は美観性が重要であり、お客様のご要望もあり、マット仕様のクロムメッキを施しました。
手締め固定ボルト
こちらの製品は、自動車制御機器向けの手締め固定ボルトです。メートル並目ねじ以外のインチネジも対応可能です。 あまり馴染みのないインチネジですが、弊社では製造することはできませんが、サプライヤー様でインチネジの製造を行っています。そちらの会社様へのご依頼をさせて頂きます。完成品での納入はもちろんのこと、ブランクでの納入も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
つまみネジのことなら、特殊ネジ カスタム部品製造.comまで!
つまみネジでお困りの際は特殊ネジ カスタム部品製造.comを運営しております太陽精工株式会社までお気軽にお問い合わせください。
◆特殊ネジ カスタム部品製造.comは、冷間圧造技術のノウハウと、オリジナリティ溢れる金型設計力、幅広い調達ネットワーク、そして積極的なVA/VEによる技術提案を行い、多種多様な特殊締結部品の製造を、試作開発から量産までトータルサポートさせていただきます!
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