フォームローリング加工とは?転造との違いから特徴まで解説!
フォームローリング加工とは、転造加工を進化した加工方法です。フォームローリング加工では、溝形状を始めとした複雑な凹形状の加工を行うなど、転造加工ではできない加工を実現することができます。
当社では、溝入れや棒先、尖り先、丸先、ローレットといった様々な形状の加工を、長いストロークを有するフォームローリング加工機によって対応しております。また同時に加工をする複合フォームローリング加工によって、切削加工と比較して大幅なコストダウンも実現可能です。
ここでは、フォームローリング加工とはなにか、転造加工との違いから、当社ならではのフォームローリング加工まで、まとめて解説いたします。
転造加工とは?
転造加工とは塑性加工の一つで、素材に強い力を加えて盛り上げて成形する加工方法です。材料の可塑性を利用して、転造ダイスを回転している加工対象物に押し当てる技術です。転造加工は切削加工と比較すると、生産性が高く、加工品質が安定しているため、ネジや歯車等の回転対象体の部品加工に広く用いられています。
圧造加工、転造加工、いずれも塑性原理を用いた加工方法です。ネジの製造において初工程となる圧造加工では、金型内に素材を充填、成型後に金型より排出というプロセスで加工するため、くびれ形状の加工には不適となります。そのため、ネジ山等の加工には転造加工が欠かせません。
フォームローリング加工とは?
フォームローリングはこの転造加工をさらに進化させた加工方法となります。
従来であれば切削加工で仕上げた溝形状も、フォームローリングであれば様々な溝形状が対応可能となります。また1回のフォームローリング加工で、異なるネジサイズの同時加工、複数の溝加工、溝加工と軸の先端加工、溝加工と切り飛ばし加工等の複合加工も可能となるケースが数多くあります。
このように複雑な形状をフォームローリングで実現可能とするためには1回の転造加工での製品の転がり回数が重要なポイントとなります。形状にもよりますが一般的なネジ山加工の2~3倍の転がり数が必要です。
転造加工とフォームローリング加工の違いとは?
転造加工とは、一般的にネジ山を作る加工方法として知られています。一方でフォームローリング加工は転造加工を進化した加工方法です。転造加工は英語で”rolling” と呼ばれるのに対して、フォームローリング加工はその名の通り”form-rolling”となるため、形状を転造加工によって成形するという目的がはっきりとしています。
実際にフォームローリング加工では、溝形状を始めとした複雑な凹形状の加工を行うなど、転造加工ではできない加工を実現することができます。
当社ならではのフォームローリング加工とは?
特殊ネジ カスタム部品製造.comを運営する太陽精工では、当社ならではのフォームローリング加工を展開しております。
様々な形状への加工に対応可能
転造加工ではネジ山への加工のみになりますが、当社のフォームローリング加工では、下記の様な形状に対応可能です。
- 溝入れ
- 棒先
- 尖り先
- 丸先
- 球成形
- 寸切り
- セレーション
- ローレット
このようにフォームローリング加工では、従来は切削加工のような二次加工でしかできないと考えられていた形状も加工することが可能です。
同時に加工する複合フォームローリング加工
また工夫を凝らすことで、1回のフォームローリング加工で異なるネジサイズの同時加工も可能となります。また複数の溝加工や、溝加工と軸の先端の同時加工、さらには溝加工と切り飛ばし加工といった加工も同時に実現することができます。このような複合フォームローリング加工の技術提案力も、当社ならではの特徴だと考えております。
長いストロークを有するフォームローリング加工機を多数保有
先述のように、複雑な形状をフォームローリングで実現可能とするためには1回の転造加工での製品の転がり回数が重要なポイントとなります。形状にもよりますが一般的なネジ山加工の2~3倍の転がり数が必要です。
太陽精工では、ストロークを有するフォームローリング機を多数持ち合わせておりますので、幅広いフォームローリング加工に対応可能です。
フォームローリング加工への工法転換によるコストダウン
上記のように、形状や加工方法への提案力と設備力を掛け合わせることで、太陽精工だからこそ可能なフォームローリング加工技術を構築してまいりました。この独自のフォームローリング加工技術によって、切削加工からフォームローリング加工への工法転換も可能となり、その結果として多くのコストダウン実績を積み重ねてきました。
フォームローリング加工を用いた事例のご紹介!
続いて、実際に当社でフォームローリング加工を用いた技術提案事例と加工事例のご紹介をいたします。
技術提案事例:切削品を3カ所同時フォームローリングへの工法転換で50%コストダウン
こちらはバー材からの全切削で製造コストが非常に高かった製品に対して、切削加工からフォームローリングへの工法転換することで50%コストダウンを実現した技術提案事例です。
加工事例:フォームローリングピン(φ7)
こちらは自動車向けのフォームローリングピンです。写真の通り、両端にR3.5が必要な製品です。
お客様からご相談いただいた際は、元々はバー材からの切削をしていた製品とのことでしたが、コストダウンを希望されて当社にご相談いただきました。そこで当社からは、まずリベットを圧造し、その後当社固有のフォームローリング技術により、1工程(1パス)で両端にR付け加工をして生産いたしました。その結果…
フォームローリング加工のことなら、特殊ネジ カスタム部品製造.comまで!
フォームローリング加工でお困りの際は特殊ネジ カスタム部品製造.comを運営しております太陽精工株式会社までお気軽にお問い合わせください。
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