基板スペーサーとは?プリント基板への使い方や機能を徹底解説!
基板スペーサーとは?プリント基板への使い方を解説
自動車、家電製品、FA製品等の組立製品では高性能化、脱炭素化に伴い電子部品の装着が急速に進んでおります。電子部品が増加するにつれて、それらを締結するために使用されるネジやナット等の締結部品の使用数も増加しています。
締結部品の中でも基板に用いられるスペーサーの需要は高まっています。基板スペーサーとは、階層構造を成すプリント基板同士の間に空間(スペース)を設け、放熱対策として使用する締結部品です。基板上にある電子部品や、回路基板の間に間隔を作ることで、空気の循環を促進し放熱性を向上させ、電気的な干渉を防止する役割を担っています。基板スペーサーには樹脂製品もありますが、当社は金属製の基板スペーサーを製造しております。

基板スペーサーに求められるものとは?
当社が製造するにあたり、お客様から求められるものは大きく2点です。
①コストダウン
電子部品の筐体内では、様々なプリント基板が階層構造となる位置関係で組み込まれています。そこで、基板間の位置関係を長さ寸法によって調整可能にする締結部品として、基板スペーサーが使われます。代表的な形状としては、六角軸に雌ねじの形状と、六角軸と反対側に雄ねじを備えた形状です。基板スペーサーは一般的には六角のバー材からNC旋盤による切削加工で仕上げられるため、コストが高くなる傾向があります。しかし、特殊ネジ カスタム部品製造.comを運営する太陽精工では、このような形状のスペーサーを必要機能に応じて圧造+転造加工で製造することが可能です。形状に合わせたVA提案を行い、お客様に大きなコストメリットを還元いたします。
また、ねじ締結ではなくカシメ締結のスペーサーについても、当社の加工方法により大きくコストダウンした実績があります。当社の冷間圧造工法は、数量が多くなればなるほどコストメリットが高まりますので、お気軽にご相談ください。
②不具合対策
金属屑の混入は電子部品ショート等の通電不良に直結する大きな品質問題となるため、金属屑を発生させない対策や材質の選定が非常に重要です。
取り外しの可能性がなく、しっかりと固定したい場合はタッピングねじが使用される場合が多いです。しかし、相手材を塑性変形させながら雌ねじを形成するタッピングねじは切り粉が必ず発生します。
また、環境によって選定するねじの材質は異なり、導電性が重要な用途では真鍮、反対に絶縁性を要する場合はプラスチック、耐食性を重視する場合にはステンレスが用いられます。一方で、多くのケースではコストメリットを重視して鉄製ねじが採用されています。ただし、鉄製ねじは経年劣化により鉄粉が剥がれ、これがショートを引き起こす要因となる場合があります。
これを踏まえて、当社では基板スペーサーをタッピングスクリューで締結する場合、特殊なコーティング処理で金属屑の発生を制御できた実績が多数ございます。当社では後加工として表面処理を施すのではなく、設計段階から材質特性を活かした特殊ネジを製造することで最適なコストで高品質なネジを提供することが可能となります。電蝕に対して有効な表面処理方法も提案することができますので、お気軽にご相談ください。
基板スペーサーのことなら当社にお任せください
「使用数量が増加しているから、基板スペーサーのコストダウンを検討したい!」「通電不良の原因となる金属屑への対策はどうすればいい…?」「電蝕に効果的な表面処理までお願いしたい!」といったご要望がございましたら、お気軽にご相談ください。当社はスペーサーに関してVA提案→コストダウンの実績が多数ございます。数量が多くなればなるほど当社の工法では量産メリットにより部品単価が削減できます。
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基板スペーサーの事例紹介
続いて、実際に当社が製作した基板スペーサーの製品事例紹介です。
六角中ツバ両スペーサー
こちらは自動車用インバーター締結に採用される六角中ツバ両スペーサーです。中ツバの六角形状に対し、上下で異なるサイズとなっています。そのため、ねじ転造時の製品供給が難しいうえに、お客様のご要望により不完全ねじ部を極力少なくする必要があり、当社の転造技術を駆使した製品となっています。
当社では、1つの製品でサイズが違う製品を製造しています。独自の加工方法により、2工程かかる加工を1工程に集約し、製品供給数量の安定化を実現しています。また品質面でも妥協することなく加工を行っております。
基板用スペーサー(M5×P0.8)
こちらは自動車向けの基板用スペーサーです。先端がM5のねじ、頭部から製品中心部にかけてタップ加工でM4の雌ねじが施されています。
もともとは別の部品を2つ用いて基板との間にスペースを確保していましたが、お客様からの「部品点数を1つにまとめたい」というご要望を受け、本形状となりました。形状面での打ち合せを行い、本形状なら機能性にも問題がないことを確認・検証を行い、量産を開始した製品となっております。製品特徴として、ねじとしての役割と雌ねじとしての役割を両方を備えた製品となっています。製品の加工ポイントは、タップ加工の深さ+穴の径が小さいことによる切削加工技術の熟練度が重要となる点です。また転造加工においても、ねじ部が短いこともあり製品供給が不安定となるため、安定させるために機械側に工夫を施しております。
基板スペーサーのことなら、特殊ネジ カスタム部品製造.comまで!
基板スペーサーでお困りの際は特殊ネジ カスタム部品製造.comを運営しております太陽精工株式会社までお気軽にお問い合わせください。
◆特殊ネジ カスタム部品製造.comは、冷間圧造技術のノウハウと、オリジナリティ溢れる金型設計力、幅広い調達ネットワーク、そして積極的なVA/VEによる技術提案を行い、多種多様な特殊締結部品の製造を、試作開発から量産までトータルサポートさせていただきます!
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