転造加工とは?

転造加工とは?

転造加工とは塑性加工の一つで、素材に強い力を加えて盛り上げて成形する加工方法です。材料の可塑性を利用して、転造ダイスを回転している加工対象物に押し当てる技術です。転造加工は切削加工と比較すると、生産性が高く、加工品質が安定しているため、ネジや歯車等の回転対象体の部品加工に広く用いられています。

転造加工で使用する転造盤はダイスの種類や動かし方によって、数種類に分類されます。一般的なものとして、平ダイス転造と丸ダイス転造とプラネタリー転造の3種類に分類されます。

①平ダイス転造盤

平ダイス転造盤を用いた加工は、平行に配置した一対の板状ダイスでワークを挟み、ダイスの一つを固定し、もう一つを平行方向に往復運動させることで加工を行います。特徴としては高い生産性を持ちますが、加工面が限定されることもあり、加工の応用性には欠けます。そのため主な用途として汎用ネジの大量生産に用いられています。

②丸ダイス転造盤

丸ダイス転造盤を用いた加工は、円筒状の同一形状の2個または3個のダイスを用い、それらを同一方向へ同じ速度で回転させながら距離を狭めていく方法で加工を行います。特徴としては、ダイス間の距離を自由に変更できる点とダイスが回転するため加工面を無限延長面として使用できる点です。そのためねじ転造以外の部品加工にも多く用いられていますが、その反面、生産性は他の2種類よりも劣ることが難点です。

③プラネタリー転造盤

プラネタリー転造盤を用いた加工は、固定したアーチ型のセグメントダイスの内側に配置した丸ダイスで回転させて加工を行います。平ダイス転造と同様に高い生産性を持ちますが、加工面が限定され、加工の応用性に欠けるため汎用ネジの大量生産に用いられています。

 

転造加工のメリットとデメリット

転造加工の最大のメリットは生産性の高さです。先述のように転造加工は塑性加工の一種であり、切削加工と比較すると加工時間は著しく短いです。また切削加工で起こる工具摩耗が少なく、非常に寿命が長いというのも特徴です。また切削加工は材料の余計な部分を除去して形状を整える加工であるのに対し、転造加工は絞る部分と盛り上げる部分によって成形することから、切屑の発生もなくコストパフォーマンスに優れ、量産加工に最適です

上記を踏まえて、転造加工は短い加工時間、長寿命、材料を無駄なく利用するといった省資源の生産技術です。ワークによっては切削加工の10分の1、20分の1という高い生産性を実現が可能です。また鍛造加工とは異なり、局所的な加圧による塑性変形を連続的に行う成形加工のため鍛造加工よりも小さな力で大きな変形量を得られます。

そしてダイスを用いた加工であることも特徴的です。ワークの表面が研削加工されたダイスによって押しつぶされることから、安定した加工精度を得ることができ個々の加工品の品質にバラつきが少なくなります。

一方で転造加工にも当然のことながら、デメリットも存在します。平ダイス転造盤やプラネタリー転造盤に挙げられるように、高い生産性を持つ一方で、加工の応用性に欠ける点があります。そのため加工物のサイズや形状に合わせて転造ダイスをその都度準備する必要があるため、転造加工は少量生産には向いていません。試作などの極小ロットの場合には、切削加工のほうが加工時間が短くて済む場合もあります。

 

当社が保有する転造機を一部ご紹介!

 

①平ダイス式転造機 HRC-W

こちらは東田機工製のHRC-Wです。パーツを送るためのレールが水平になっていることがポイントです。頭が小さい製品などはレールの上を流れにくく、転がり落ちる可能性が出てきます。ただ当設備のレールは水平式になっており、レールを送る際に振動を使用するため形状が複雑な製品でも脱落することなく流すことができます。

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②平ダイス式転造機 NTR-1000

こちらは東田機工製のNTR-1000です。アームの動き方が特徴的になっており、スウィングアームなっています。スウィングアームはギアで動かすため、ダイスの移動距離を稼ぐことが出来ますので、長い距離を移動させたい場合には本機械を使用することでネジ部の成型が綺麗になります。

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③平ダイス式転造機 HRE

こちらは東田機工製のHREです。平ダイス式転造機の精度に影響するスライド部の構造が転造圧がかかっても下がらない設計をしているために、精度が出しやすいことが特徴です。
さらに他社のフレームとは異なり十分な肉厚と強力なリブのH型構造をいるため、ワークの軸心のブレず溝加工や球面加工の複雑加工を実現します。

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まとめ

今回は量産加工に優れる転造加工についてご紹介いたしました。

特殊ネジ カスタム部品製造.comでは、2ダイ3ブローによる斬新な冷間圧造加工で、高精度の特殊ねじの製作を行うことが可能です!

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